Monthly Archives: February 2015

Ha・lle・lu・jahをピアノアレンジしてみた

龍一郎@技術担当です。

Ha・lle・lu・jahがあまりに名曲だったので、フルバージョンをピアノアレンジしました。


楽譜はこんな感じです。

途中で転調したあたりからかなり無茶な感じになっちゃってます。適宜音を間引いて弾いてください。

次回の挑戦

  • ムービーのクオリティー上げる
  • 自分で弾いてアップロードする

がんばるます。


International OpenDataDay2015 in Nagoya オープンデータ東海 参加レポート

龍一郎 @ 技術担当です。

勉強会とは少し違うけれど、International OpenDataDay2015 in Nagoya/オープンデータ東海
に参加してきました。

0. まとめ

  • オープンデータを提供する側に求められるAPIやドキュメントの使いやすさ大事
  • 時系列データから音楽の自動生成は結構出来るかもしれない、相当の音楽的センスは必要
  • フロントエンジニアすごい

1. イベント概要

どんなイベントなのか引用します。

なんと、オープンデータデイの活動を対象に、名古屋市営バスの運行情報のサンプルAPIを研究目的で Lisra/名古屋大から提供することになりました!(まだ絶賛準備中ですが)
将来の、公共交通の情報がオープンになる事を願って、皆さんでぜひ、新しい可能性を追求してみませんか?

今まで勉強会には参加してきましたが、ハッカソン/アイデアソンと呼ばれるものには参加してこなかったので参加しました。これからも今までやっていないことを見つけたら積極的に参加していきたいです。

当日のタイムテーブルはこんな感じ。

9:30 開場
10:00 開会 (9:30~受付開始)
10:00~10:10 開会・あいさつ(オープンデータ東海 代表/ 名古屋大学 教授 河口信夫)
10:10~10:30 オープンデータに関する話題提供
10:30~12:00 アイディアワークショップ&チーム作成(ファシリテータ 河口信夫)
12:00~13:00 昼食休憩 (各自(グループ単位)でお願いします。)
13:00~17:00 アイディアソン・ハッカソン
    グループ毎に、議論をして、データの活用を考えたり、システム開発をします。
17:00~18:00 各グループの成果発表
18:00 閉会

このうち、特に良かったと感じたアイデアワークショップの内容と、ハッカソンの取り組みの内容について記します。

2. アイデアワークショップ

今回の最大の見どころでした。企画案の決定までのスピードが素晴らしかった。また、途中途中で評価がされていくのも良い点でした。

アイデアワークショップでは、その先のハッカソン/アイデアソンに向けた企画案を決定しました。通常、企画案の作成はそれだけで一日が終わるような重労働です。これを二時間で実施しました。

手順は以下のようにして行いました。変則的なブレインストーミングといった感じです。

  1. 4〜5人のグループを作成し、全員にA4サイズのボードを配布
  2. 1ターン3分程度の個人作業を実施、客員がアイデアを3つ付箋に書き出してボードに貼り付ける
  3. ターン終了時にボードを隣の人に渡す
  4. 2-3を4ターン実施(それぞれのボードには12個のアイデアが書き込まれる)
  5. ボード上のアイデアで気に入ったものに☆マークを付ける
  6. ボードを隣に渡し☆マークを付ける、これを繰り返す
  7. 各グループのアイデアを模造紙にグルーピングする
  8. グループ客員が模造紙上のアイデアで気に入ったものについて、A4一枚に10分でプレゼン資料を作成
  9. すべてのプレゼン資料を◯(良いと思う:何個つけてもいい)と☆(参加したい:一人一つだけ)で評価
  10. 実施する企画の決定

これについて、次の3点が良かったです。

良かった点1 参加が簡単

すべての作業の時間は、短く区切られています。このため、ダメな案が出ても「時間なかったし!」と胸を張れます。言い訳があることで作業に安心して取り掛かれます。

良かった点2 達成感が得られやすい

手順の途中途中に評価が組み込まれていることがポイントでした。これがあったため、途中でも達成感が得られます。

良かった点3 良い評価が得られなくても次のステップで取り返せる

自分の気に入った案が評価されないと結構悔しかったりしますが、そうなったとしても次のステップで再び評価されるチャンスが巡ってきます。

会場では最終的に11の企画案が作成されました。

3. ハッカソン

フロントエンドエンジニアはすごいです。フロントエンドエンジニアの担当領域は直に誰かに触ってもらうところなので、データの使い道を決めて誰かに提供できる形にできるのは素晴らしいことです。

企画への参加

ハッカソンでは「バスで音楽を演奏する」というものに参加しました。今回の企画案で、最も「これなんともならないんじゃないか」と感じたためです。

難しさは「音楽」に様々な意味があるためです。バスから音楽が流れるといったときに、何が流れるのか人によってイメージが違いすぎます。実際、参加希望者の認識はバラバラでした。

  • バスが加速すると音楽テンポアップして盛り上がる
  • 乗車率や時間帯によって流れる音楽のジャンルが変わる (ロック、バラード、J-Pop)
  • バスのドアの開閉や位置情報の時系列データに合わせて楽器から音を鳴らす

というわけで、認識を合わせました。

何をやるか決める

まずは、やりたいことの定義です。最初の定義はこれ。

  • バスに関する時系列データを音の時系列データに変換し、演奏する

最初は音の時系列データとしてSMF形式のファイルを想定しましたが、誰一人としてその仕様に詳しくなかったため頓挫しかけました。そのため、次のような形に。

  • バスに関する時系列データを音の時系列データとして解釈し、演奏する

これでなんとかなりそうになりました。

次は「演奏する」のイメージを合わせました。iPadアプリを数種類試し、結局Polyphonic!のようなあらかじめ決めた音からループを再生するアプリの作成を目指すことになりました。

Polyphonic! iPhone版

ちょっと脱線しますが、このアプリ超オススメです。iPhoneで演奏ってどんな感じか掴めてないのならなおさらオススメです。

また、APIから取得できる情報から、どのような情報を使ってどんな音を鳴らし重ねていくかの仕様も決まり、あとは本当に開発するだけになりました。

ここまでは異常なほどに順調だったと思います。ここからが辛かった。

開発

バスの位置情報を地図上に示す、既存アプリに追加開発しようとしたのですが、そのソースコードにコメントが一切ないと思ったらHaxe由来でHaxeの開発は誰もできない。そもそもJavascriptが満足に書けるエンジニアが1名しかいない(僕ではないです)

結局、Javascriptから音楽ファイルを再生するところから始まり、それで終わってしまいました。

4. 参加しての感想

今回、データを整えてAPIも整えていただいたので、後はフロントをやればよかったのですが、本格的にフロントエンドの知識 (特にJavascriptとAltJS) の知識が不足していると感じました。

フロントエンドエンジニアは偉大です。仕様を決めるところでは全員で議論して手を動かせましたが、実際にものを作るときにはフロントエンドエンジニアしか手を動かせなくなってしまいました。

エンジニアといえば、サーバーやネットワークを提供するインフラエンジニア、データを蓄えて構造化しAPIを整えて公開するといったサーバーサイドも大事ですが、やっぱりフロントエンドも面白いなあと。

目指す方向としては、サーバーやネットワークはクラウド活用、サーバー側アプリはAnsibleなどの構成管理ツールを使ってサクッと立てて、フロントエンドでプロトタイピングをがっつり頑張るといったことができるようになっていきたいです。

あとはやっぱり僕個人ではいい企画は作れないですね。その辺りは五軒家の他メンバーのチカラを借りるところかなと思います。

5. 最後に

短時間で手を動かせることは非常に重要です。短時間で手を動かせたおかげで個人的に成果を挙げられたのと、課題の発見ができました。

また、締め切りに追われている中で濃密に作業できる環境は、なかなか得られないものだと思います。学校でも会社でも、自宅でも得られない時間ではないかなと思います。

個人としては、今回、音楽の自動生成の仕組みを一つ提案できたのは成果かなと思います。一方、フロントエンドの技術や企画力の欠如といった課題もまた発見出来ました。

というわけでまだまだやっていないことが沢山あるので沢山やっていきます。

Enjoy!


JJCLIP#18 インスリンを使うとガンになりやすくなる?!

まさひろ@メディカル担当です.
薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせでございます.

平成26年度第10回薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせ

開催日時:平成27年3月1日(日曜日)
■午後20時45分頃 仮配信
■午後21時00分頃 本配信
なお配信時間は90分を予定しております.

※ツイキャス配信はこちらから→http://twitcasting.tv/89089314

ツイキャス司会進行は、精神科薬剤師くわばらひでのり@89089314先生です.
ご不明な点などありましたら, 薬剤師のジャーナルクラブFacebookページから、又はtwitterアカウント@pharmasahiroまでご連絡いただけると幸いです.

[症例17:インスリンを使うとガンになりやすくなる?!]

【仮想症例シナリオ】
あなたは, とある民間病院に勤める薬剤師です.
今月から内分泌・糖尿病内科の病棟勤務となり, 入院患者への服薬支援だけでなく栄養指導も管理栄養士さんや看護師さん達と協働で行うなど, 忙しい毎日を送っておりました.

病棟での回診業務を終えて一息ついたある日の午後, たまたま病棟で居合わせた研修医の先生から次のような質問を受けました.

「今日の外来でとある患者から『あんまりインスリンの量が多いと癌が増えるってネットに書いてあったんですけれど本当ですか?』って聞かれて, なんとも答えに困ってしまってね. インスリンのグラルギンなんだけど, そんな報告って本当にあるのですか?」

患者情報:2年前から2型糖尿病と診断された40代男性.
     A1c=8.5%, 平均血糖190mg/dl, BMI = 28.4
     他に現病, 既往なし

あなたは, インスリングラルギンによって本当にガンの発症リスクが増加するのか, 早速調べてみたところ, 次の論文がヒットしたので読んでみることにしました.

[文献タイトルと出典]
Use of insulin glargine and cancer incidence in Scotland: a study from the Scottish Diabetes Research Network Epidemiology Group.
Pubmed : http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19603149
PDF → http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2723678/pdf/125_2009_Article_1453.pdf


今回も私がシナリオ作成を担当させていただきました.

シナリオにもあったように, 最近はいろいろな方面からありえないような情報(時にはとんでもないデマも)が巷には溢れています.

例えばこんな情報.
高インスリン血症だけでも発ガンが促進される

このサイトにはそもそも個々の情報源が明記されておらず, また得られている情報に対しての批判的吟味も十分なのかどうかよくわかりません.

情報が簡単に手に入ることと, その情報を的確に吟味して使えることは同じではありません.

このあたりの教育・啓蒙活動がきちんとなされていないのが今の日本の現状なのかもしれません.

そういった状況をいかに改善してゆくか.
それもまた, 僕たちEBMerの担うべき役割なのではないでしょうか.

インスリン使用に関するガン発症リスクに関しては他にも複数報告されています.
(Pubmed の Clinical Queryで「insulin glargine cancer」カテゴリーをEtiology, スコープをnarrowで検索)

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24282613
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24278227
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24215311
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24170756
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23159131

これらの情報も, 時間を見つけて自分で読み込んでみたいものです.

薬剤師たるもの, 薬に関してならば酸いも甘いも十二分に把握した上で, 他職種や患者さんに向き合いたい.
そんな風に考えながら, 毎日を過ごしております.

いつものように, 放送中に頂くコメントへは随時お答えさせていただきます.
皆様にとって, 貴重で愉しい抄読会となれるよう鋭意努力いたします.

それでは, ネットの世界で皆様とお会いできることを心待ちにしております.

薬剤師のジャーナルクラブ(Japanese Journal Club for Clinical Pharmacists:JJCLIP)とは、薬剤師がEBMを実践するための学びの場を提供するSNSコミュニティです.現在は@89089314先生、@syuichiao先生、そしてわたくし@pharmasahiroの3名をコアメンバーとして運営しております.


ダイスリーディング〜いまから始める「シニア人生」安心計画

龍一郎@技術担当です。

ダイスリーディング 2015年1月分です。僕の担当分はこれ。

この記事では、この本を読むべきかどうかの情報を提供します。

1. 本の内容

この本で扱っている内容は、人生の最終局面で事前に決めておくべき事柄はなんだろうか、という疑問に対する対策です。

まず抑えなければいけないことは、対象読者が50代以降ということです。

20代〜40代で実行できる老後の備えである、貯蓄や年金、保険の話はほとんど出てきません。このような、制度的な支援の比較的手厚い、お金の問題は本書の対象外です。

お金の問題それ以外にも様々な問題が発生し、それに対する備えが必要だというのが著者の主張です。

発生する問題は、次のようなものです。

  • 身体や判断能力が衰えたときの財産管理
  • 葬儀やお墓の準備
  • 遺産相続と遺言
  • 生前整理と「実家」の片づけ
  • 終末医療と尊厳死
  • 介護や老人ホームの選択
  • 伴侶の死

実際、章立てもそのようになっています。

序章 シニア人生を「不幸な生活」にしないために
第1章 まずは葬儀とお墓の現実を知ろう
第2章 体が不自由になったときの財産管理等の委任契約
第3章 判断能力が衰えたときの成年後見制度
第4章 「普通の人」にこそ必要な遺言書
第5章 遺産相続はこうして行われる
第6章 「生前整理」と「実家」の片付け
第7章 「生の終え方」を考える――「リヴィング・ウィル」
第8章 いまから知ろう「介護サービス」
第9章 「残された伴侶」の心のケア
第10章 「エンディングノート」活用術

あんまり生きていく話は出てきません、いかにして死ぬ準備を整えるか、という本です。20代〜40代が本書を活用する方法は、両親にこれを読ませて対策を立ててもらうことと、計画が立てられていることをチェックすることになるでしょう。

2. この本で得られる知識

この本は「エンディングノート記述マニュアル」です。したがって、得られる知識は「エンディングノートの書き方」になります。

エンディングノートは高齢者が自分が人生の最終局面を迎えるときの要望を記したものです。一例として、堺市ではエンディングノートの配布を行っています。

堺市 南区「エンディングノート」の配布を行っております

エンディングノートには葬儀の決め方を書く欄があります。本書では業者とあらかじめ予算・内容を決めておく生前予約を強く薦められ、その手続きは次のようになっています。

  1. 総予算を決める。
  2. どのような葬儀にしたいのか決める。
  3. 見積は2社以上に依頼する。
  4. 項目別に値段を比較する。

通常の契約の進め方と同じです。しかし、ほとんどの場合、生前予約を行う方は葬儀について専門家ではないはずです。仮に総予算が決められたとしても、葬儀の選択肢がどれだけあるかについては知識がない場合が多いでしょう。本書では、次のような形態の葬儀について説明があります。

  • 従来の形態の葬儀 (通夜・葬式・告別式など)
  • ワンデーセレモニー
  • 家族葬
  • 密葬
  • 自由葬
  • 福祉葬
  • 直葬

上記のような知識を得た上で見積もりの取得を行えば、業者との交渉も行いやすくなるはずです。

3. この本の面白さ

この本の面白さは、意外と知っているようで知らない慣習や制度に触れられることです。特に、最近現れた手続きを簡素に行う葬儀については知る機会は乏しいのではないかと思います。

上で挙げた「直葬」は葬儀式なしに、火葬場からお墓へと直送するやり方です。病院で亡くなってから、その場で焼香・読経を済ませ火葬場へ、焼いて終わりです。費用は総額で20万円程度。

驚いたのはこのやり方が都心部では30%と、かなり浸透していた点です。一部の方がやっている方法、というわけではありません。

また、別の簡素化として、0葬というやり方が紹介されています。直葬では火葬場で焼いてお骨をお墓に収めるのですが、0葬では焼いた後お骨を受け取りません。本当に焼いて終わりです。

上記のような簡素な形式については別サイトでも触れられています。

【0葬】葬送の自由・お葬式をしない・遺骨を引き取らずに直葬チョクソウ・火葬を越える?

葬式を実施する側の労力を徹底して軽減する一つの手段として、素直に興味深かったです。

4. 本書で解消されない疑問点

筆者が繰り返し主張していますが、お金以外の問題で対処しなければいけないものは様々なものがあるため、それら全てに対応しようとすると大きな労力が必要になる点です。

現在の問題点として、最終局面を穏やかに迎えるためにエンディングノートを書くのですが、エンディングノートを書くこと自体が結構な難題で、ほとんど誰も書けていない現実(書いたのは1%程度)が紹介されます。

この「エンディングノートが書けない問題」についてはまだまだできることがあるんじゃないかというのが個人的な感想です。

5. 最後に。

【急募】Oculus使ってド派手な演出する直葬&0葬プラン

Endorse?


ダイスリーディング〜知識ゼロからの日蓮

おかぴー@五軒家統括です。

知識ゼロからの日蓮 (渡辺宝陽著)を読みました。
以下にその内容をまとめたいと思います。

日蓮は日蓮宗の開祖です。日蓮が生まれ生きた時代は天災や飢饉、疫病が相次ぎ、人々が塗炭の苦しみに直面していた時代でした。日蓮は、これらの苦しみの原因が、釈尊が乱れた時代を救う『法華経』の教えが見失われたためである、と考えました。

○日蓮の一生
日蓮は1222年(承久4年)に安房国(あわのくに:現在の千葉県南部)長狭郡東条郷(ながさのこおりとうじょうのごう)の小湊という地で漁夫の子として産まれました。すくすくと成長した日蓮は、12歳のとき、生家から十数キロ離れた山中にある天台宗の寺院、清澄時(せいちょうじ)に預けられ、修学を開始しました。16歳の時、道善房(どうぜんぼう)を師として正式に出家得度し、名前を是聖房蓮長(ぜしょうぼうれんちょう)と改めました。

このころ世の中には八宗、十宗にも分かれた仏教が教えを広めていました。仏教は一人の釈尊が説いた教えであるのに、どうしてこんなに分かれているのか?、どの宗派も国の安泰、民の幸福を祈っているのに災いがこうも続くのか?、何が正しいのか?、日蓮は悩み続けます。世の安穏を実現する教えを探し求めていた蓮長は、仏教のすべてを知り尽くしたいという使命感に溢れていました。蓮長は修行を重ね、さらに仏教について学ぶために比叡山に遊学し、徹底的な仏教研鑽に努めました。その結果、来世ではなく現世での在り方を問い、今を活き活きと生きることを説いた『法華経』こそが混迷の世の人々を救う真の教えであるという確信を持ちます。

蓮長は32歳のとき、長い遊学を終えて清澄寺に帰ってきました。蓮長は帰ってきた清澄寺にて建長5年(1253年)4月28日に、初めて「法華経を心の拠り所にします」という意のお題目「南無妙法蓮華経」を唱えました。そしてこのときから、自らを新たに「日蓮」と名乗るようになります。法華経のように太陽の如く明らかで、蓮華の如く清らかでありたい、との願いを込めた「日蓮」という名は、法華経の行者として生き抜く決意のあらわれでした。これが日蓮宗のはじまり、立教開宗の日になります。

この後、日蓮は人々に法華経の教えを説き続けましたが、それはもう苦難の連続でした。そのころ既に存在していた仏教を支援していた幕府や朝廷の反感を買い伊豆や佐渡に流されたり、襲撃されて片腕を折られたり、処刑されそうになったり。(鎌倉松葉谷(まつばがやつ)草庵焼き討ち事件、伊豆流罪事件、小松原法難、龍ノ口での斬首の危機)

数々の苦難を身に受けた日蓮でしたがくじけることはありませんでした。それどころか、迫害を受けるのは法華経を広める者の証と、自分の行いの正しさを再認識しました。その強い意志を曲げることなく法華経を広める日蓮聖人の姿に人々は心を動かされ、次第に教えに帰依する人の輪が大きく広がり始めました。するとその力を恐れた幕府によって、今度は佐渡に流されたりしました。(逆境!逆境!逆境!!)

日蓮は過去に、混迷する国家の救済を目指した渾身の書『立正安国論』を記していました。その中で、そもそも世が乱れる根本的な原因は、来世での救いしか求めない民衆の誤った信仰や、加持祈祷のみに頼る幕府の間違った政策にあると断言し、幕府が行いを改めなければ、国内は更に乱れ、外国からの攻撃も受けるにいたるだろうと予言していました。この予言は、1274年の蒙古の襲来の形(文永の役)で現実になりました。この一件を経験した幕府は日蓮聖人の流罪を解き、鎌倉に呼び戻します。しかし日蓮は、幕府が『立正安国論』の真意を汲み取ろうとしていないことを悟ると、鎌倉を離れ、山梨にある身延山(現在の身延山久遠寺)へと入山しました。日蓮は、この地で、国の将来を見据え、法華経を受け継ぎ、それを広めることができる仏弟子の教育・育成に力を注ぎました。(後に、この身延山で学んだ弟子や信徒らによって、教えは全国へと広がっていきます。日蓮の死後、日蓮宗の発展に貢献した人々については、本の最後の方で紹介されていました。)

9年間に渡り弟子の育成を続けた日蓮聖人は、1282年、61歳のときに、長年の厳しい生活で崩した身体を癒すため常陸(ひたち)の国(現在の茨城県)の湯治場へ向かいました。しかし途中、池上宗仲の屋敷(現在の東京都・池上本門寺)で容態が悪化し、ついには立ち上がることもできなくなりました。それでも最後の力を振り絞り、弟子たちに『立正安国論』の講義をしたそうです。

そして同じ年(1282年)、10月13日の朝、日蓮は弱冠13歳の経一丸(きょういちまろ、後の日像上人)を枕元に呼び京都での布教を託すと、多くの弟子、檀家の読経に包まれながら、61歳の生涯を閉じました。

○日蓮の教え
この本には日蓮聖人のことだけでなく、現代にも通じる日蓮の教えについても記されています。

自分を成長させるために必要なこと、苦難を乗り越える力について、ともに成長する夫婦の姿、毎日をよみがえって生きることの大切さ(このよみがえる、というのは仏道を成就する道を見失った人間が、法華経に帰依することによって、生きる現実世界において新たにリセットされる、ということだと思います)、己を知ることの大切さ、好機の裏に潜む危機について、人として生まれたことの素晴らしさ、法華経を知るということ、毎日を心して生きることの大切さ。これらを伝える日蓮の珠玉の言葉が綴られています。

これらの教えは、日蓮が様々な苦難を経験し乗り越えて行く中で経験したり学んだりしたことなのでしょう。これらの教えに目を通していると、日蓮が身に降り掛かる災難の中でも腐ってしまわなかったのは、日蓮自身の持つ使命感、強さだけではなく、どんな悲惨な状況下でも献身的に自身を支えてくれる人々の優しさ、温かさがあったから、のように感じられます。

ここで、教えの中から心に残ったものをふたつ。

『善知識に値(あ)ふ事が第一の難き事なり。されば、仏は善知識に値(あ)ふ事をば一眼(いちげん)の亀の腐木(ふぼく)に入り、梵天より糸を下げて大地の針の目に入るにたとへ給へり。』(三三蔵祈雨事(さんさんぞうきうのこと))
訳:人として仏道に導き、解脱を得させる指導者(善知識)に出会うことが最も難しいことです。仏陀は、そのような指導者に出会うことを、片方の目しか見えない亀が流木の穴に入るようなものであるとも、天空の遥か上空にある梵天から糸を垂らして大地の上にある針の穴に通すようなものであるとも述べられています。

日蓮が述べる善知識(指導者)とは仏教上の指導者を意味していますが、この教えは仏教という枠組みを越えて、一般的に言えることだと思います。単なる技術や知識の教授に留まらず、人間としての生き方や生きる意味の根源に影響を与えられるような指導者に出会えた人は、とても幸せだと思います。

『今の世には何ともなくとも道心をこりぬべし。此世(このよ)のありさま厭ふともよも厭われじ。』(兄弟抄)
訳:凡人は、厳しい世の中だと考えると、全てが嫌になってしまいます。けれども、よく考えてみれば、末法の世に生まれあわせたからこそ、この世の喜びも悲しみも、その全てが見えてくるのです。
(道心は、仏教では仏道に帰依する心を指します。)

僕は「人というのは、基本的に周囲の環境を『変化』でしか認識できないのではないか」と考えています。膨大な情報に溢れる自然の中でスムーズに生きて行くためには、瞬間、瞬間に自身の中に入ってくる情報の絶対値を処理するよりは、変化を認識した方が情報量も少なくなり効率が良いのではないか、と考えるからです。つまり、僕自身は、人間は微分で生きている生物だと思っています。そのために、感覚では捉えているのに認識できないでスルーしてしまう事柄も多く存在していると思います。

身の回りは、うまくいかないことで溢れています。自分の置かれた環境の不遇さに嘆くこともあるでしょう。しかし、そういうネガティブな環境にいるからこそ、感情のベースラインが低下し、日常に潜む些細な喜びに敏感になれるかもしれません。普段は当たり前だとスルーしていたものに、ある瞬間、それまでなかった感動を感じられることもあるでしょう。そのように考えると、生きていることの幸せを改めて感じるためにも、定期的に不幸に身をさらすことは必要かもしれない、とも思います。

今回の読書で、日蓮の生きるパワーを感じました。逆境を乗り越えるための哲学についても学ぶことができた気がします。震災や風雨といった度重なる天災に見舞われ命を落とす人々が多数存在し、またそれ以外でも理解しがたい事件に溢れている現代。このような現代だからこそ、単に来世に望みを託すのではなく現世での生き方を問い、今をいかに充実して生きるかを説いた日蓮の教えが色褪せることなく光輝き、人々に希望を与えるかもしれないですね。

興味を持った方は、是非ご一読を。おかぴーでした。

おかぴー