Category Archives: 医療

JJCLIP#32 メニエル病は薬でどこまで治せるのでしょうか?

まさひろ@メディカル担当です.
薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせでございます.

平成28年度第1回薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせ

開催日時:平成28年 4月17日(日曜日)
■午後20時45分頃 仮配信
■午後21時00分頃 本配信
なお配信時間は90分を予定しております.

※ツイキャス配信はこちらから→http://twitcasting.tv/89089314

ツイキャス司会進行は、精神科薬剤師くわばらひでのり@89089314先生です.
ご不明な点などありましたら, 薬剤師のジャーナルクラブFacebookページから、又はtwitterアカウント@pharmasahiroまでご連絡いただけると幸いです.

[症例29:メニエル病は薬でどこまで治せるのでしょうか?」

【仮想症例シナリオ】
あなたは, とある街の薬局の常勤薬剤師です.
1日の業務を終えて, 退勤しようとタイムカードを押そうとしたら,
今月から働き始めたばかりの新人薬剤師さんから声をかけられました.
いつもと違って, ちょっと元気がない様子の彼は, 次のような質問をしました.

「今日, メニエル病の患者さんにメリスロン®のことについて説明をしていたら, 患者さんからこんなこと言われちゃったんです.

“あのね薬剤師さん, この薬がどうやって効くとか, なんとなく言いたいことはわかるんだけれど,
私が知りたいのは,

[この薬で病気が治る可能性がどれくらいか]

なんだよね. そっちを教えて欲しいんだけど…”って.

薬の効き方は国試でもしっかり勉強したけれど,
患者さんが欲しい情報って, それだけじゃないんですよね.
そもそもこういう視点がなかった自分が情けないです.

先輩, あの薬ってどれくらい病気を治せるんですか?」

…新人くんの, 真摯な疑問に対して, これはしっかり応えようと思ったあなた.
「それなら, ここできっちり論文検索をしてみよう!」と一緒にPubMed検索をしてみました.
すると, 当該疾患・薬剤についての報告をすぐに見つけることができたので,
その場で早速読んでみることにしました.

患者情報:
 初発のメニエール病を発症した40代女性
 現病、既往、併用薬は今の所無し

[文献タイトルと出典]
Efficacy and safety of betahistine treatment in patients with Meniere’s disease: primary results of a long term, multicentre, double blind, randomised, placebo controlled, dose defining trial (BEMED trial).
Adrion C, Fischer CS, Wagner J, Gürkov R, Mansmann U, Strupp M; BEMED study group.
BMJ. 2016 Jan 21;352:h6816.
PMID:26797774
PubMed:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26797774
PDF → http://www.bmj.com/content/bmj/352/bmj.h6816.full.pdf

[使用するワークシート]
ランダム化比較試験を10分で吟味するポイント:
http://j.mp/jjclipsheet1
@syuichiao先生のブログより)


春うららとなりつつある穏やかな陽気.
みなさまいかがお過ごしでしょうか.

今回は新年度第 1回目ということで,
初学者, 初視聴者, 初心者大歓迎と銘打って,
RCTの批判的吟味方法とその適応をテーマとした論文抄読会といたします.

「身近な薬こそ, その根拠の有無と程度をしっかり把握する」

そんな想いを込めて作ったシナリオです.

エビデンスと実臨床をつなぐ架け橋へ.

いつものように, 放送中に頂くコメントへは随時お答えさせていただきます.
皆様にとって, 貴重で愉しい抄読会となれるよう鋭意努力いたします.

それでは, ネットの世界で皆様とお会いできることを心待ちにしております.

薬剤師のジャーナルクラブ(Japanese Journal Club for Clinical Pharmacists:JJCLIP)とは、薬剤師がEBMを実践するための学びの場を提供するSNSコミュニティです.現在は@89089314先生、@syuichiao先生、そしてわたくし@pharmasahiroの3名をコアメンバーとして運営しております.


JJCLIP#31 (特別企画)コクランとNon-コクランで結果が違う?!

まさひろ@メディカル担当です.
薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせでございます.

平成27年度第12回薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせ

開催日時:平成28年 3月13日(日曜日)
■午後20時45分頃 仮配信
■午後21時00分頃 本配信
なお配信時間は90分を予定しております.

※ツイキャス配信はこちらから→http://twitcasting.tv/89089314

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[症例28:コクランとNon-コクランで結果が違う?!」

【仮想(症例)シナリオ】
あなたは, とある街の薬局に勤務する薬剤師です.
本日は公休日. のんびりとした朝です.
先日、EBMワークショップに参加して,
情報検索の方法とメタ分析の批判的吟味法を学んだばかり.

新しい武器を手に入れて,
自分も, 何かができるような気がして意気揚々としております.

ワークショップを振り返っていると, ふと,
「コクランのメタ分析ならば信用して良いだろう」
という言葉を思い出しました.
そう教わったのはいいものの, 果たして本当に,
手放しで信用して良いのだろうかと疑問に思ったあなた.

そんな思いを抱きながら, TwitterのTLを眺めていると,
「同じトピックでもコクランとnon-コクランでメタ分析の結果が異なる」
という論文が紹介されているではありませんか.

情報の批判的吟味の仕方を, もう一度復習しようと思ったあなたは,
早速, 朝一番でこの論文をダウンロードし, 読んでみることにしました.

[文献タイトルと出典]
Systematic Differences between Cochrane and Non-Cochrane Meta-Analyses on the Same Topic: A Matched Pair Analysis.
Useem J et al.
PLoS One. 2015 Dec 15;10(12):e0144980.
PMID:26671213
PubMed:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26671213/
PDF → こちらより無料でダウンロードできます.

[使用するワークシート]
メタ分析を10分で吟味するポイント:
http://j.mp/jjclipsheet2
@syuichiao先生のブログより)


今年度最後の抄読会ということで,
特別企画をご用意いたしました.

情報の吟味方法について,
エビデンスとは何かについて,

また,
エビデンスを適応することは善であり,
エビデンスを使わないことは悪なのだろうか,
そもそも正しさとは何か,
それはすぐに判断できることなのだろうか,

医療に善と悪という二元論が通用するのか

などについて, がっつり語り会えたらと思います.

エビデンスと実臨床をつなぐ架け橋へ.

いつものように, 放送中に頂くコメントへは随時お答えさせていただきます.
皆様にとって, 貴重で愉しい抄読会となれるよう鋭意努力いたします.

それでは, ネットの世界で皆様とお会いできることを心待ちにしております.

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JJCLIP#30 花粉ブロッククリームって効くんですか?

まさひろ@メディカル担当です.
薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせでございます.

平成27年度第11回薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせ

開催日時:平成28年2月14日(日曜日)
■午後20時45分頃 仮配信
■午後21時00分頃 本配信
なお配信時間は90分を予定しております.

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ツイキャス司会進行は、精神科薬剤師くわばらひでのり@89089314先生です.
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[症例 27:花粉ブロッククリームって効くんですか?」

【仮想症例シナリオ】
あなたは, とある市中病院勤務の薬剤師です.
インフルエンザと花粉症が流行し始め, 院内もバタバタと忙しさを増しています.
アクシデントの無いように薬剤部で通常の内勤をしていたところ,
いつも院内抄読会に一緒に参加している耳鼻咽喉科Dr.より相談の電話がかかってきました.

「今日の外来患者さんから『花粉ブロッククリームって効くんですか?』と質問されたんだ.
反射的に『効かないんじゃない?』と言ってしまっていつもの薬を処方しちゃったんだけれど,
こういう時こそちゃんと根拠を確かめないとなってちょっと後悔してるんだよね…. 先生, 情報もってないかな?」

「花粉ブロッククリーム?…エビデンスあるのかな???」と半信半疑にその場でPubMed検索をしたところ, 何と効果を検証した論文がありました.

Dr.とのディスカッションや患者さんへの対応に有用だと思ったあなたは, 早速その場でこの論文を読んでみることにしました.

[文献タイトルと出典]
Efficacy of pollen blocker cream in the treatment of allergic rhinitis.
Schwetz S et al.
Arch Otolaryngol Head Neck Surg. 2004 Aug;130(8):979-84.
PMID:15313870
PubMed:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15313870
PDF → http://archotol.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=647888
(全文フリーで入手可能ですが, あらかじめJAMAのサイトに無料登録が必要です)

[使用するワークシート]
ランダム化比較試験を10分で吟味するポイント:
http://j.mp/jjclipsheet1
@syuichiao先生のブログより)


インフルエンザが流行期に入りました.
皆さまご体調はいかがでしょうか.
手洗い・うがい, 忘れずに, です.

さて今回はちょっと変わったOTC医薬品のエビデンスをご紹介いたします.
「花粉ブロッククリーム?そんなん効くんかいな?」
なんて印象をお持ちのかたもいらっしゃるでしょう.

そんな臨床疑問から生まれたシナリオです.

こうした, ちょっとした疑問からでもエビデンスと戯れることができますし,
それを通じたEBMの実践も可能であると感じて頂けたらと思います.
(EBMは誰でもどこでもいつでもどんな状況でも実践が可能です)

エビデンスと実臨床をつなぐ架け橋へ.

いつものように, 放送中に頂くコメントへは随時お答えさせていただきます.
皆様にとって, 貴重で愉しい抄読会となれるよう鋭意努力いたします.

それでは, ネットの世界で皆様とお会いできることを心待ちにしております.

薬剤師のジャーナルクラブ(Japanese Journal Club for Clinical Pharmacists:JJCLIP)とは、薬剤師がEBMを実践するための学びの場を提供するSNSコミュニティです.現在は@89089314先生、@syuichiao先生、そしてわたくし@pharmasahiroの3名をコアメンバーとして運営しております.


セレンとコエンザイムQ10を摂取することで心血管死亡は防げるのでしょうか?

まさひろ@メディカル担当です.

今回はサプリメントに対する面白い論文を紹介いたします.

Reduced Cardiovascular Mortality 10 Years after Supplementation with Selenium and Coenzyme Q10 for Four Years: Follow-Up Results of a Prospective Randomized Double-Blind Placebo-Controlled Trial in Elderly Citizens.
Alehagen U et al., PLoS One. 2015 Dec 1;10(12):e0141641.
PMID:26624886
PubMed:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26624886
PDF → http://www.plosone.org/article/fetchObject.action?uri=info:doi/10.1371/journal.pone.0141641&representation=PDF
全文フリーで閲覧可能です.

【論文は妥当か?】

【Patient】 NYHA class I 〜III の高齢患者443人(平均年齢78歳)
【Exposure】 セレン:200μg/日及びコエンザイムQ10:200mg/日の摂取(221人)
【Comparison】 プラセボの摂取(222人)
【Outcome】 10年後における心血管死亡
研究デザイン 2重盲検ランダム化試験
1次アウトカムは明確か 明確である
アウトカムの種類 真のアウトカム
盲検化されているか されているが, 詳細は記載なし
ランダム化は最後まで保持されたのか ITT解析の記載はなく, かつ29.1%の脱落率
試験期間 48ヶ月
追跡期間 10年間

【結果はどうか?】

アウトカム 介入群 コントロール群 HR(95%CI)
心血管死亡 46人/221人 86/222人 0.51(0.36-0.74)

【結果をどう活用するか?】
スウェーデンにおける研究報告です.
それまでサプリメントに対しては「摂取してもしなくても対して健康には差はない」という報告が多かった(というか殆ど)だったのですが,
どうもそれを覆すような成果が発表されました.
ただし, ITT解析でもなく, かつ脱落も多いため結果をそもまま鵜呑みにもできないように思います.
なおかつ, サンプルサイズの計算に関する記載もなし.
有意差がつくまでフォローしていたのではとも考えられます.
とはいえ, 散々サプリメントに対して否定的な報告しかなかった中でのこの結果は注目に値するでしょう.


WPW症候群患者ではアブレーションを受けた方が長生きできるのでしょうか?

まさひろ@メディカル担当です.

Radiofrequency ablation of accessory pathways in patients with the Wolff-Parkinson-White syndrome: the long-term mortality and risk of atrial fibrillation.
Borregaard R et al., Europace. 2015 Jan;17(1):117-22.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25013013
PMID:25013013
全文フリーで閲覧可能です.
PDF → http://europace.oxfordjournals.org/content/europace/17/1/117.full.pdf

【論文は妥当か?】

【Patient】 WPW症候群患者でアブレーション(ラジオ波焼灼療法)を受けた362人
【Exposure】
【Comparison】 比較コホート群3619人
【Outcome】 全死亡及び心房細動の発症
研究デザイン 後ろ向きコホート研究
アウトカムの種類 真のアウトカム
調整した交絡因子は? 年齢及び性別
研究期間 1990年〜2011年

【結果はどうか?】

アウトカム アブレーション群 コントロール群 HR(95%CI)
全死亡 19人(5.3%) 193人(5.3%) 0.77 (0.47–1.25)
心房細動 34人 (9.3%) 68 (1.9%) 4.77 (3.05–7.43)

*併存疾患により調整済み

【結果をどう活用するか?】
デンマークにおける研究結果です.
WPW症候群患者ではアブレーションを受けることで, 比較コホート(つまり健常人群?)と同等の寿命が得られるのではないかと考えられます.
ただし, これまではアブレーションを実施すればWPW症候群はほぼ完治可能で, 心房細動への進展も抑制できると思っていたのでが,
どうもそういうわけではない可能性も出てきました.
ただし, 後ろ向きコホート研究の結果ですので, 仮説生成という側面もあると思います.
今後はprospectiveな研究報告が待たれます.


JJCLIP#26 新しい糖尿病治療薬で合併症を防ぐことができるのでしょうか?

まさひろ@メディカル担当です.
薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせでございます.

平成27年度第7回薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせ

開催日時:平成27年10月25日(日曜日)
■午後20時45分頃 仮配信
■午後21時00分頃 本配信
なお配信時間は90分を予定しております.

※ツイキャス配信はこちらから→http://twitcasting.tv/89089314

ツイキャス司会進行は、精神科薬剤師くわばらひでのり@89089314先生です.
ご不明な点などありましたら, 薬剤師のジャーナルクラブFacebookページから、又はtwitterアカウント@pharmasahiroまでご連絡いただけると幸いです.

[症例 23:新しい糖尿病治療薬で合併症を防ぐことができるのでしょうか?」

【仮想症例シナリオ】
あなたは, とある街の中小病院勤務の薬剤師です.
薬剤部にてデスクワークをしていると,
自分の担当している内分泌・糖尿病内科病棟のDr.より突然電話がかかってきました.

「MRさんからの情報で, 一番新しいSGLT2阻害剤が結構いい薬だって言われたから今度院外処方をしたいのだけれど, 近隣の薬局さんに在庫があるかどうか聞いてほしいんだ」

電子カルテを確認すると, 次の患者に対してエンパグリフロジン(ジャディアンス®)が処方される予定であることが判明.

[患者情報]
とくに目立った既往のない 40代半ばの男性
会社の健康診断がきっかけで2型糖尿病と診断されてまだ半年ほど経過したばかり
HbA1c= 8.3%
肥満(BMI=30)
メトホルミンとインスリンを使用していたが体重も血糖もコントロール不良とみなされ次の一手を考えていた.

あなたは, MRがDr.にどんな情報を渡したのかを教えてもらい, それに基づいてPubmedを使って情報検索を行いました.

すると, 確かに該当する報告を見つけることができたので, 早速読んでみることにしました.

[文献タイトルと出典]
Zinman B, et al.
Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes.
N Engl J Med. 2015 Sep 17.
PubMed:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26378978
PDF → こちら
(全文フリーで入手可能)

[使用するワークシート]
ランダム化比較試験を10分で吟味するポイント:
http://j.mp.jjclipsheet1
@syuichiao先生のブログより)


さてさて, ついに出ました!
SGLT2阻害薬のエビデンス!

出版されたのが9/17にも関わらず,
すでに多くの医療従事者の注目の的となっております.

「エンパグリフロジンで心血管リスク有意減少(日経メディカル)」
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/dmns/report/201508/543512.html

「糖尿病薬で今世紀初の心血管イベント抑制効果,死亡リスク低下も(医療の明日に応えるサイト MedicalTribune)」
https://medical-tribune.co.jp/news/2015/0918037401/

「【文献】SGLT2阻害薬エンパグリフロジンは心血管ハイリスクの2型糖尿病の死亡率を改善する(EARLの医学ノート)」
http://drmagician.exblog.jp/23687444/

…などなど.

僕自身はミーハーではないと自覚はしておりますが(真偽のほどはさておき),

「常に, 最新の情報を, 自分たちで吟味する」

この姿勢だけは維持してゆこうとは思っております.

エビデンスと実臨床をつなぐ架け橋へ.

いつものように, 放送中に頂くコメントへは随時お答えさせていただきます.
皆様にとって, 貴重で愉しい抄読会となれるよう鋭意努力いたします.

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JJCLIP夏のエビデンス感想文

まさひろ@メディカル担当です.
先日のJJCLIP2周年特別企画, 「夏のエビデンス感想文祭り」
ご参加いただきました皆様, 誠にありがとうございました.

そして, 感想文を作成・送ってくださった先生方, 心より御礼申し上げます.

…ふと, 自分も感想文を作ってみたくなったので, 実行してみまして.
時期外れ, かつひどい論文ですが(汚物は焼却だぜぇ?←),
どうか何かのネタにでもしていただければ.

「水素水の飲めばメタボを予防できるんかいコラァ!」

J Lipid Res. 2013 Jul;54(7):1884-93.
Hydrogen-rich water decreases serum LDL-cholesterol levels and improves HDL function in patients with potential metabolic syndrome.
Song G1, Li M, Sang H, Zhang L, Li X, Yao S, Yu Y, Zong C, Xue Y, Qin S.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23610159
PMID:23610159

【論文のPECO】

P 台湾におけるメタボの懸念のある43歳以上の患者20人(男性12人, 女性8人*)
E 水素水の消費(濃度0.2〜0.25mMの水素水を0.9〜1.0L/日を1日1回もしくは2回に分けて消費)
C 水素水の消費前
O 血清リポプロテインの値は改善するのか?

*25≦BMI≦34.9, 腹囲100cm以上(男性),80cm以上(女性)

追跡期間:10週間

【結果】

アウトカム 水素水消費前 水素水消費後 改善度(P値)
血清LDL-C値(mM) 3.96 ± 0.86 3.24 ± 0.68 0.72 (P < 0.05)
血清TC値(mM) 6.42 ± 1.13 5.47 ± 0.75 0.95 (P < 0.01)

平均して27.8mg/dlのLDL-C値の改善
平均して36.7mg/dlのTC値の改善

【感想】
代用のアウトカムかつ明確ではない(TC, TG, LDL, HDL, glucose…etc)
→ 偶然に左右された可能性大
ランダム化されていない・前後比較!(not 群間比較!)
ブラインドもされていない
サンプル数20で適切かどうかもわからない

水素水に関しては他にもいろいろと体にいいという報告があるが, どれも有料の雑誌なので断念.
(かつどれも代用のアウトカムではある)

健康食品の一つと位置付ければ, 医療費抑制のための手段の一つとして考慮してもよいのかもしれない. しかし, 内的妥当性が低いため即座に水素水の普及をしようという気にもなれない. もやもや


JJCLIP#24 厳格な血糖コントロールで合併症は予防できるのでしょうか?

まさひろ@メディカル担当です.
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開催日時:平成27年8月23日(日曜日)
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[症例 22:厳格な血糖コントロールで合併症は予防できるのでしょうか?]

【仮想症例シナリオ】
あなたは, とある街の薬局薬剤師です.
うだるような暑さがピークを迎えたある日の昼下がりに, 突然薬局の電話がけたたましく鳴り響きました.

「うちの子が糖尿病を発症しちゃったのよ?!まさかうちの子がよ!お医者さんはインスリンをしっかり使って治療しようって言っているけれど、その治療方法で本当にうちの子は大丈夫なのかしら?先生どう思います?!」

電話の主:
日用品の買い物から処方箋調剤まで、長年当薬局を利用する常連さんの一人.
この度, 15歳になる息子さんが1型糖尿病を発症.
医師はインスリンによる厳格治療を提案. しかし電話の主である母親は気が動転しており考えがまとまらない様子.
ご家族, ご親戚には糖尿病の現病歴・既往歴はなし.

あなたは、1型糖尿病の患者さんにとって, 厳格なインスリン治療がどこまで有益がどうかを調べてみたところ, 一つの古い論文を見つけたので, すぐに読んでみることにしました.

[文献タイトルと出典]
The effect of intensive treatment of diabetes on the development and progression of long-term complications in insulin-dependent diabetes mellitus. The Diabetes Control and Complications Trial Research Group.
N Engl J Med. 1993 Sep 30;329(14):977-86.
PubMed:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8366922/
PDF → http://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJM199309303291401(全文フリーで入手可能)

[使用するワークシート]
ランダム化比較試験を10分で吟味するポイント:
http://2.bp.blogspot.com/-clIkBOVVGfk/UjW8olB-HiI/AAAAAAAAAIg/5UQ8DGNRZl0/s1600/RCT10%E5%88%86.png
@syuichiao先生のブログより)


1型糖尿病, 知っているようで実はよくわかっていないワタクシ.
情けないものです.

「教科書上の知識としては知っているものの, 果たしてどれだけ自分はわかっているのか」
「どこまでが分かっていて, どこからが分からないのか」

その再確認を, ぜひみなさんとディスカッションしつつ進めて行きたいと愚考しております.

エビデンスと実臨床をつなぐ架け橋へ.

いつものように, 放送中に頂くコメントへは随時お答えさせていただきます.
皆様にとって, 貴重で愉しい抄読会となれるよう鋭意努力いたします.

それでは, ネットの世界で皆様とお会いできることを心待ちにしております.

薬剤師のジャーナルクラブ(Japanese Journal Club for Clinical Pharmacists:JJCLIP)とは、薬剤師がEBMを実践するための学びの場を提供するSNSコミュニティです.現在は@89089314先生、@syuichiao先生、そしてわたくし@pharmasahiroの3名をコアメンバーとして運営しております.


PubMedで気になるテーマ論文の更新を自動で取得する方法

まさひろ@メディカル担当です.

先日のJJCLIP抄読会, 皆さまご視聴ありがとうございました.

今回は抄読会の最中に挙がった,

「論文をどうやって見つけているのか」

について, 僕が現在実践している方法を紹介しようと思います.

注意:
ここで紹介する方法はあくまで一例です.
もしかしたらもっと良い方法があるのかもしれません.

1. PubMed検索

例えば,
P:ckd患者さんに
E:スタチンを投与すると
C:しない場合と比べて
O:寿命が伸びるのか?

という疑問を立てましょう.

そして, いつものようにPubMed検索を行います. 全般検索ではなく, Clinical Query(臨床疑問)をクリックしましょう.
PubMed初期画面

PubMed_CQ画面

この検索窓に, 「statin ckd mortality」と入力してsearchをクリックします.
すると, 2015年7月の時点では次のような検索結果が出てきます.
(CategoryをTherapy、Scopeをnarrowに設定しています)

CQ_statin_ckd_mortaligy

この画面左下のSee allをクリックしましょう.
すると次の画面は下のようになります.
ここではフリーで全文が入手できるよう画面左側にある「Free full text」にチェックを入れています.

PubMed_CQ_free_full_text

2. RSSの生成

ここまでは今までと同じ検索手順となります.
ここから先が本番.
検索窓のすぐ下にある, 「Create RSS」をクリックしましょう.
Create_RSS

するとこんな画面が出てきます.
Create_RSS_2

各種数値はいじらずに, ここではもう一度「Create RSS」をクリックします.
するとこんな画面が出てきます.
Create_RSS_3

次は, XMLをクリックします.
すると新しいタブの出現と共に, 何やら暗号のようなページが出てきてしまいます.
XML
で, 大事なのはそこではなくて, このページのURLなんです.
XML_URL
このURLをコピーしておきましょう.

3. RSSリーダーにURLを登録
さて, 今後は生成したRSSを受け取るサービスを作ります.
RSSリーダーにはいろいろなものがありますが,
僕は現在利用しているのが「The Old Reader」というRSSリーダーです.theoldreader
[RSSリーダー]The Old Readerの使い方。パソコン用RSSリーダーはこれに決まり!
これがThe Old Readerの画面です.
the_Old_Reader_モザイク
こちらの, ADD SUBSCRIPTIONをクリックしましょう.
the_Old_Reader_add_subscription
この検索窓に, 先ほど生成したRSSのURLをペーストして,
その右の赤色と緑色からなる十文字をクリックすれば出来上がりです.

こうすることで, 一度論文検索した結果を, 継時的に追跡して, 最新の論文が出たらその時点で容易に確認ができるようになります.

4. RSSリーダーと連動できるアプリの導入

3.までの手順を踏めば, あとはPCを開いてThe Old Readerを見ればすぐに関心のあるテーマ論文の更新を見ることができるのですが,
できればスマートフォンやタブレットでも確認したいと思うでしょう.
これも, 現在は多数のアプリが流通しています.
中にはRSSリーダーそのものがアプリ対応しているものもあるので, どれにするかは個々人の使いやすさや直感で選んでいただいてよいと思います.

僕が以前より利用しているのが「Feeddler RSS Reader Pro」というiOS対応アプリです.

Feeddler_RSS

これに先のThe Old Readerを登録しておけば, あとはこのアプリを立ち上げたらすぐに論文検索の更新結果が通知されます.
朝起きて出勤するまでや, 通勤中, もしくは忙しい業務の最中でも
すぐに興味のある論文の更新の有無をチェックできて, 非常に便利です.

別次元の使いやすさ!カスタマイズ可能なニュースリーダー「Feeddler RSS Reader Pro」


JJCLIP#23 エゼチミブで心筋梗塞の再発は予防できるのでしょうか?

まさひろ@メディカル担当です.
薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせでございます.

平成27年度第4回薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせ

開催日時:平成27年7月26日(日曜日)
■午後20時45分頃 仮配信
■午後21時00分頃 本配信
なお配信時間は90分を予定しております.

※ツイキャス配信はこちらから→http://twitcasting.tv/89089314

ツイキャス司会進行は、精神科薬剤師くわばらひでのり@89089314先生です.
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[症例 21:エゼチミブで心筋梗塞の再発は予防できるのでしょうか?]

【仮想症例シナリオ】
あなたは, とある病院に勤める薬剤師です.
今年度から循環器内科病棟に配属が決まり, 今日は担当となった患者さん(63歳男性)のところへ挨拶に行くこととなりました.

すると, 初対面の挨拶も終わらぬうちに, 患者さんから次のようなことを矢継ぎ早に言われてしまいました.

「薬飲んでてもでかい病気したんだから薬の意味ないじゃん!だから薬やめていいかと言ったらDr.にえらい叱られちゃったよ. おまけに薬まで一つ増やすと. まいったまいったよ. で, その追加する薬を飲んでいれば心臓の病気を防げるのかな?薬を飲むのは自分なんだから, やっぱりちゃんと納得した上で飲みたいんだよね」と.

[患者情報]
50歳時より脂質異常症を指摘されてシンバスタチン10mg/日を服用
急性心筋梗塞を起こして, 当院に搬送・入院となり本日で5日経過
シンバスタチンに, エゼチミブを上乗せして治療を行うことが検討されている.

あなたは, 目の前の患者さんにとってエゼチミブの投与が有益なのかどうかを確認するために, 一次情報を検索したところ次のような論文を見つけることができたので, 早速読んでみることにしました.

[文献タイトルと出典]
Ezetimibe Added to Statin Therapy after Acute Coronary Syndromes.
Cannon CP, Blazing MA, Giugliano RP, McCagg A, White JA, Theroux P, Darius H, Lewis BS, Ophuis TO, Jukema JW, De Ferrari GM, Ruzyllo W, De Lucca P, Im K, Bohula EA, Reist C, Wiviott SD, Tershakovec AM, Musliner TA, Braunwald E, Califf RM; IMPROVE-IT Investigators.
N Engl J Med. 2015 Jun 18;372(25):2387-97. doi: 10.1056/NEJMoa1410489. Epub 2015 Jun 3.
PubMed:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26039521
PDF → http://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa1410489

[使用するワークシート]
ランダム化比較試験を10分で吟味するポイント:
http://2.bp.blogspot.com/-clIkBOVVGfk/UjW8olB-HiI/AAAAAAAAAIg/5UQ8DGNRZl0/s1600/RCT10%E5%88%86.png
@syuichiao先生のブログより)


エゼチミブについては昨年も一度同様のテーマで抄読会を開催いたしました.
「平成26年度 第1回 薬剤師のジャーナルクラブの開催のお知らせ」
http://syuichiao.blogspot.jp/2014/04/blog-post_6.html

あの時はプライマリアウトカムでは統計的有意差が示されなかったのですが, 今回はどうなっているのでしょうかね.
この論文, すでに多数の先生方のブログ等で取り上げられています.例えば,

「栃木県の総合内科医のブログ」
論文:ACS患者に対するスタチンにエゼミチブ上乗せ効果 IMPROVE IT研究
http://tyabu7973.hatenablog.com/entry/2015/06/26/000000
(尊敬するtyabu7973先生のブログより)

それくらい注目を浴びているテーマですから,
我らJJCLIPとしても取り扱わないわけにはいきません.

けれども, 単に論文をみんなで読むだけでは面白くありません.
臨床とは目の前の患者ありきです.
今回も症例シナリオの患者と, 他職種に対してどうアプローチするのが妥当なのか,
がっつりと熱いディスカッションができればと思っております.

エビデンスと実臨床をつなぐ架け橋へ.

いつものように, 放送中に頂くコメントへは随時お答えさせていただきます.
皆様にとって, 貴重で愉しい抄読会となれるよう鋭意努力いたします.

それでは, ネットの世界で皆様とお会いできることを心待ちにしております.

薬剤師のジャーナルクラブ(Japanese Journal Club for Clinical Pharmacists:JJCLIP)とは、薬剤師がEBMを実践するための学びの場を提供するSNSコミュニティです.現在は@89089314先生、@syuichiao先生、そしてわたくし@pharmasahiroの3名をコアメンバーとして運営しております.