Category Archives: 論文抄読

JJCLIP#31 (特別企画)コクランとNon-コクランで結果が違う?!

まさひろ@メディカル担当です.
薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせでございます.

平成27年度第12回薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせ

開催日時:平成28年 3月13日(日曜日)
■午後20時45分頃 仮配信
■午後21時00分頃 本配信
なお配信時間は90分を予定しております.

※ツイキャス配信はこちらから→http://twitcasting.tv/89089314

ツイキャス司会進行は、精神科薬剤師くわばらひでのり@89089314先生です.
ご不明な点などありましたら, 薬剤師のジャーナルクラブFacebookページから、又はtwitterアカウント@pharmasahiroまでご連絡いただけると幸いです.

[症例28:コクランとNon-コクランで結果が違う?!」

【仮想(症例)シナリオ】
あなたは, とある街の薬局に勤務する薬剤師です.
本日は公休日. のんびりとした朝です.
先日、EBMワークショップに参加して,
情報検索の方法とメタ分析の批判的吟味法を学んだばかり.

新しい武器を手に入れて,
自分も, 何かができるような気がして意気揚々としております.

ワークショップを振り返っていると, ふと,
「コクランのメタ分析ならば信用して良いだろう」
という言葉を思い出しました.
そう教わったのはいいものの, 果たして本当に,
手放しで信用して良いのだろうかと疑問に思ったあなた.

そんな思いを抱きながら, TwitterのTLを眺めていると,
「同じトピックでもコクランとnon-コクランでメタ分析の結果が異なる」
という論文が紹介されているではありませんか.

情報の批判的吟味の仕方を, もう一度復習しようと思ったあなたは,
早速, 朝一番でこの論文をダウンロードし, 読んでみることにしました.

[文献タイトルと出典]
Systematic Differences between Cochrane and Non-Cochrane Meta-Analyses on the Same Topic: A Matched Pair Analysis.
Useem J et al.
PLoS One. 2015 Dec 15;10(12):e0144980.
PMID:26671213
PubMed:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26671213/
PDF → こちらより無料でダウンロードできます.

[使用するワークシート]
メタ分析を10分で吟味するポイント:
http://j.mp/jjclipsheet2
@syuichiao先生のブログより)


今年度最後の抄読会ということで,
特別企画をご用意いたしました.

情報の吟味方法について,
エビデンスとは何かについて,

また,
エビデンスを適応することは善であり,
エビデンスを使わないことは悪なのだろうか,
そもそも正しさとは何か,
それはすぐに判断できることなのだろうか,

医療に善と悪という二元論が通用するのか

などについて, がっつり語り会えたらと思います.

エビデンスと実臨床をつなぐ架け橋へ.

いつものように, 放送中に頂くコメントへは随時お答えさせていただきます.
皆様にとって, 貴重で愉しい抄読会となれるよう鋭意努力いたします.

それでは, ネットの世界で皆様とお会いできることを心待ちにしております.

薬剤師のジャーナルクラブ(Japanese Journal Club for Clinical Pharmacists:JJCLIP)とは、薬剤師がEBMを実践するための学びの場を提供するSNSコミュニティです.現在は@89089314先生、@syuichiao先生、そしてわたくし@pharmasahiroの3名をコアメンバーとして運営しております.


JJCLIP#29 子供の熱さましの薬はアセトアミノフェンが一番なのでしょうか?

まさひろ@メディカル担当です.
薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせでございます.

平成27年度第10回薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせ

開催日時:平成28年1月31日(日曜日)
■午後20時45分頃 仮配信
■午後21時00分頃 本配信
なお配信時間は90分を予定しております.

※ツイキャス配信はこちらから→http://twitcasting.tv/89089314

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[症例 26:子供の熱さましの薬はアセトアミノフェンが一番なのでしょうか?」

【仮想症例シナリオ】
あなたはとある街のドラッグストアに勤務する薬剤師です.
年始の忙しさもちょうど落ち着いてきた1月末, とある男性がお店を訪ねてきました.
「幼稚園に通う5歳の娘がまた熱っぽいんだ. これって以前小児科を受診させた時にもらった薬を飲ませた方がいいのかな?それともまた受診して、別の薬をもらった方がいいのかな?早く元気になってほしいんだよねぇ…」

[男性の情報]
いつも当薬局で日用品の買い物から本人、ご家族の処方箋調剤も受け付けている常連さん
奥さまと共働きで, 今日は自分が娘さんの幼稚園のお迎え当番

[娘さんの情報]
特に喘息などの現病はなし
二週間前に近隣の小児科から解熱剤としてカロナール®が屯用処方され, 現在も残薬が数回分あるとのこと

あなたは, 小児の解熱薬でカロナール®以外にも妥当なものがあるかどうか調べたところ,
ちょうどお目当ての論文を見つけることができたので, その場で早速読んでみることにしました.

[文献タイトルと出典]
Paracetamol plus ibuprofen for the treatment of fever in children (PITCH):
randomised controlled trial.
Hay AD et al., BMJ. 2008 Sep 2;337:a1302
PMID: 18765450
PubMed:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18765450
PDF → http://www.bmj.com/content/bmj/337/bmj.a1302.full.pdf
(全文フリーで入手可能)

[使用するワークシート]
ランダム化比較試験を10分で吟味するポイント:
http://j.mp/jjclipsheet1
@syuichiao先生のブログより)


新年あけましておめでとうございます.
今年もJJCLIPをどうぞ宜しくお願い申し上げます.

暖冬も暖冬である今日この頃, 皆様ご体調はいかがでしょうか.
インフルエンザが例年と比べ流行していないとはいえ, くれぐれもご無理のないように, です.

さて, 小児の解熱薬.
アセトアミノフェンが真っ先に思いつくのはいいとして,
「本当にそれが今も妥当なのか?」
「もしアセトアミノフェンが飲めなかったら, 何か他に代替案はないのだろうか?」
「そもそも小児の熱を冷ますこと自体がどこまで妥当なのだろうか?」

そんな臨床疑問から生まれたシナリオです.
エビデンスと実臨床をつなぐ架け橋へ.

いつものように, 放送中に頂くコメントへは随時お答えさせていただきます.
皆様にとって, 貴重で愉しい抄読会となれるよう鋭意努力いたします.

それでは, ネットの世界で皆様とお会いできることを心待ちにしております.

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JJCLIP#28 インフルエンザワクチンの効果はどれくらい?

まさひろ@メディカル担当です.
薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせでございます.

平成27年度第9回薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせ

開催日時:平成27年12月20日(日曜日)
■午後20時45分頃 仮配信
■午後21時00分頃 本配信
なお配信時間は90分を予定しております.

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[症例 25:インフルエンザワクチンは効果はどれくらい?」

【仮想症例シナリオ】
あなたは, とある街の薬局に勤める薬剤師です.
今年もいよいよあとわずか. 薬局内も年末年始相応の忙しさになり, まさに師走状態です.
そんな中, 同僚の一人から, 次のような質問を受けました.

「インフルエンザワクチン, やっと先週打ってもらったよ. 医療従事者たるもの, 感染症にかかっちゃまずいし, 患者さんに移しでもしたらもっと良くないよね. ただ, 今まではなんとなく大事そうだから予防接種を受けていたけれど, 実際のところどうなのかな. 俺, 今までインフルエンザになんて一度もかかったことないけど, それってやっぱりワクチンのおかげなのかなぁ」

そんな, 同僚の独り言のような質問に, その場でうまく答えられなかったあなた.
今一度, ワクチンの効果を調べてみようと思い, Pubmedを検索してみました.
すると, ちょうどお目当ての論文を見つけることができました.

ただこの論文, コクランレビューという, なんと200ページを超える重厚なものです.
一瞬ひるんてしまったあなたですが, 「今年を締めくくるのにちょうどいい. たまには気合い入れてみるか」と, 腹をくくって早速読んでみることにしました.

[文献タイトルと出典]
Vaccines for preventing influenza in healthy adults.
Jefferson T et al., Cochrane Database Syst Rev. 2014 Mar 13;3:CD001269.
PubMed:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24623315
PDF → http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD001269.pub5/epdf
(全文フリーで入手可能)

[使用するワークシート]
メタ分析を10分で吟味するポイント:
http://j.mp/jjclipsheet2
@syuichiao先生のブログより)


おひさしぶりの更新&告知です.
遅くなってしまって申し訳ありません.

さて, シナリオにもあるように, 今年最後の抄読会にふさわしい,
重厚な論文にチャレンジしてみようではありませんか.

エビデンスと実臨床をつなぐ架け橋へ.

いつものように, 放送中に頂くコメントへは随時お答えさせていただきます.
皆様にとって, 貴重で愉しい抄読会となれるよう鋭意努力いたします.

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JJCLIP#27 風邪予防にはどんな生活習慣が有効なのでしょうか?

まさひろ@メディカル担当です.
薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせでございます.

平成27年度第8回薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせ

開催日時:平成27年11月 8日(日曜日)
■午後20時45分頃 仮配信
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[症例 24:風邪予防にはどんな生活習慣が有効なのでしょうか?」

【仮想症例シナリオ】
あなたは, とあるドラッグストアに勤務する薬剤師です.
先月末から急に気温が下がり, いよいよ秋も深まってきたのかなとぼんやり感傷に耽っていたのですが,

実はこのところ, 勤務先の上司、同僚、部下が皆次々と体調不良でダウンしていることが悩みの種でありました.
一人欠勤して, 休養して回復したのち, 職場に復帰できたと思ったら, 別の人がまた同じような風邪症状でお休みするなど, 薬局内に風邪が流行しているようです.

「このまずい流れをどうにかして断ち切らないと!何か有益なアドバイスが周囲にできないだろうか?できれば来店されるお客さん、患者さんにも役立てられるような情報はないのだろうか?

そう奮起したあなたは, すぐにPubmedで文献検索をしてみました.

すると程なくして, 「風邪予防に対する運動の効果」なるタイトルの論文を見つけることができたので,
早速その場で読んでみることにしました.

[文献タイトルと出典]
The effect of exercise on prevention of the common cold: a meta-analysis of randomized controlled trial studies.
Lee HK et al., Korean J Fam Med. 2014 May;35(3):119-26

PubMed:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24921030
PDF → PDF
(全文フリーで入手可能)

[使用するワークシート]
メタ分析を10分で吟味するポイント:
http://j.mp/jjclipsheet2
@syuichiao先生のブログより)


このところ気温がぐっと下がり, 秋の深みと冬の到来を予感させる今日この頃, みなさまいかがお過ごしでしょうか?
インフルエンザの予防接種もそろそろ開始となりますね.

ワクチンや薬といった外部のモノだけに頼るのではなく,
自分の体調を, 自分の生活習慣を通じて, 自分の手で整える.

そういった気持ちを持つことも, 決して悪くはないと僕自身は思っております.

「どんな習慣が身体にとって有益なのか」

そんな, ふとした前景疑問についても, 根拠を持って応えられるようになりませんか.

エビデンスと実臨床をつなぐ架け橋へ.

いつものように, 放送中に頂くコメントへは随時お答えさせていただきます.
皆様にとって, 貴重で愉しい抄読会となれるよう鋭意努力いたします.

それでは, ネットの世界で皆様とお会いできることを心待ちにしております.

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PubMedで気になるテーマ論文の更新を自動で取得する方法

まさひろ@メディカル担当です.

先日のJJCLIP抄読会, 皆さまご視聴ありがとうございました.

今回は抄読会の最中に挙がった,

「論文をどうやって見つけているのか」

について, 僕が現在実践している方法を紹介しようと思います.

注意:
ここで紹介する方法はあくまで一例です.
もしかしたらもっと良い方法があるのかもしれません.

1. PubMed検索

例えば,
P:ckd患者さんに
E:スタチンを投与すると
C:しない場合と比べて
O:寿命が伸びるのか?

という疑問を立てましょう.

そして, いつものようにPubMed検索を行います. 全般検索ではなく, Clinical Query(臨床疑問)をクリックしましょう.
PubMed初期画面

PubMed_CQ画面

この検索窓に, 「statin ckd mortality」と入力してsearchをクリックします.
すると, 2015年7月の時点では次のような検索結果が出てきます.
(CategoryをTherapy、Scopeをnarrowに設定しています)

CQ_statin_ckd_mortaligy

この画面左下のSee allをクリックしましょう.
すると次の画面は下のようになります.
ここではフリーで全文が入手できるよう画面左側にある「Free full text」にチェックを入れています.

PubMed_CQ_free_full_text

2. RSSの生成

ここまでは今までと同じ検索手順となります.
ここから先が本番.
検索窓のすぐ下にある, 「Create RSS」をクリックしましょう.
Create_RSS

するとこんな画面が出てきます.
Create_RSS_2

各種数値はいじらずに, ここではもう一度「Create RSS」をクリックします.
するとこんな画面が出てきます.
Create_RSS_3

次は, XMLをクリックします.
すると新しいタブの出現と共に, 何やら暗号のようなページが出てきてしまいます.
XML
で, 大事なのはそこではなくて, このページのURLなんです.
XML_URL
このURLをコピーしておきましょう.

3. RSSリーダーにURLを登録
さて, 今後は生成したRSSを受け取るサービスを作ります.
RSSリーダーにはいろいろなものがありますが,
僕は現在利用しているのが「The Old Reader」というRSSリーダーです.theoldreader
[RSSリーダー]The Old Readerの使い方。パソコン用RSSリーダーはこれに決まり!
これがThe Old Readerの画面です.
the_Old_Reader_モザイク
こちらの, ADD SUBSCRIPTIONをクリックしましょう.
the_Old_Reader_add_subscription
この検索窓に, 先ほど生成したRSSのURLをペーストして,
その右の赤色と緑色からなる十文字をクリックすれば出来上がりです.

こうすることで, 一度論文検索した結果を, 継時的に追跡して, 最新の論文が出たらその時点で容易に確認ができるようになります.

4. RSSリーダーと連動できるアプリの導入

3.までの手順を踏めば, あとはPCを開いてThe Old Readerを見ればすぐに関心のあるテーマ論文の更新を見ることができるのですが,
できればスマートフォンやタブレットでも確認したいと思うでしょう.
これも, 現在は多数のアプリが流通しています.
中にはRSSリーダーそのものがアプリ対応しているものもあるので, どれにするかは個々人の使いやすさや直感で選んでいただいてよいと思います.

僕が以前より利用しているのが「Feeddler RSS Reader Pro」というiOS対応アプリです.

Feeddler_RSS

これに先のThe Old Readerを登録しておけば, あとはこのアプリを立ち上げたらすぐに論文検索の更新結果が通知されます.
朝起きて出勤するまでや, 通勤中, もしくは忙しい業務の最中でも
すぐに興味のある論文の更新の有無をチェックできて, 非常に便利です.

別次元の使いやすさ!カスタマイズ可能なニュースリーダー「Feeddler RSS Reader Pro」


JJCLIP#19 認知症では抗精神病薬は早めに止めた方がよいのでしょうか?

まさひろ@メディカル担当です.
薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせでございます.

平成26年度第11回薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせ

開催日時:平成27年3月29日(日曜日)
■午後20時45分頃 仮配信
■午後21時00分頃 本配信
なお配信時間は90分を予定しております.

※ツイキャス配信はこちらから→http://twitcasting.tv/89089314

ツイキャス司会進行は、精神科薬剤師くわばらひでのり@89089314先生です.
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[症例18:認知症では抗精神病薬は早めに止めた方がよいのでしょうか?]

【仮想症例シナリオ】
あなたは, とある薬局に勤める薬剤師です.
こちらの薬局は, 5年前より本格的に在宅療養支援を始め, あなたも昨年よりあるグループホームへ訪問するようになっていました.

ある日, いつものように施設に向かうと, 常勤のヘルパーさんからの次のような質問を受けました.

「Aさんのことなんですけど, 僕らが見た所, かなり症状が落ち着いていると思うので, 薬を減らせるようDr.と相談などできないでしょうか?薬を飲ませるのがちょっと大変で…」

患者情報:
68歳Aさん(女性)
昨年近医よりレビー小体型認知症と診断されドネペジル内服開始.
周辺症状の幻覚妄想を呈していたため, 抗精神病薬を併用.

薬剤情報:
ドネペジル5mg
ニトラゼパム5mg
抑肝散エキス顆粒
リスペリドン内用液1mg/ml 1ml

「薬を中止することが果たして良いのだろうか?」
薬局に戻って調べてみると, あなたは次の論文を見つけることができたので, 早速読んでみることにしました.

[文献タイトルと出典]
Antipsychotic discontinuation in patients with dementia: a systematic review and meta-analysis of published randomized controlled studies.
Pan YJ, Wu CS, Gau SS, et al.
Dement Geriatr Cogn Disord. 2014;37(3-4):125-40.
Pubmed : http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24157687
PDF → http://www.karger.com/Article/Pdf/355418


今回も私がシナリオ作成を担当させていただきました.

認知症の周辺症状, BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)です.
恥ずかしながらこの領域のエビデンスに触れるのは初めてのワタクシ.

きちんとディスカッションができるか非常に不安ですが,
そこは恐れず, 知らないことを恥ずかしがらずをモットーに頑張ります.

ちなみに精神科薬物療法に関しては以下の2冊がオススメです.
@89089314先生も執筆者に名を連ねていらっしゃいます.
参考文献もきちんと明記されておりとても分かり易いです(まだ読んでいる途中ですが…).


いつものように, 放送中に頂くコメントへは随時お答えさせていただきます.
皆様にとって, 貴重で愉しい抄読会となれるよう鋭意努力いたします.

それでは, ネットの世界で皆様とお会いできることを心待ちにしております.

薬剤師のジャーナルクラブ(Japanese Journal Club for Clinical Pharmacists:JJCLIP)とは、薬剤師がEBMを実践するための学びの場を提供するSNSコミュニティです.現在は@89089314先生、@syuichiao先生、そしてわたくし@pharmasahiroの3名をコアメンバーとして運営しております.


EBM実践はエキサイティングである〜抄読会を終えて〜

まさひろ@メディカル担当です.

薬剤師のジャーナルクラブ, 先ほど無事抄読会を終えることができました.
視聴してくださった方々, 改めてこの場を借りて御礼申し上げます.

さて, 今日の抄読会は正直きつかった.
コホート研究の論文は幾度か読んだことがあるけれど, 今回は特に難しい内容だったという印象です.

でも, 心底, 楽しい.

前景疑問に対してどうアプローチすべきか.
そこに答えなど当然ありません.

だからこそ複数人であらゆる視点から, 互いの意見を出し合って議論する必要があります.

それが, 楽しくて仕方ない.

シナリオを考えるのが,
疑問を定式化するのが,
論文を読むのが,
結果を目の前の患者さんに適応するのが,
その適応が妥当であったのかを振り返るのが,

楽しくて仕方ない.

さて, 次回は3/29(日)

今後も, 一人でも多くの方々が, EBMを楽しく学んで, 楽しく実践できるよう, 鋭意努力して参ります.

皆様, 本日は誠にありがとうございました!


JJCLIP#16 抗インフルエンザ薬の予防効果は如何程?

まさひろ@メディカル担当です.
毎月恒例, 薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせでございます.

平成26年度第8回薬剤師のジャーナルクラブ開催のお知らせ

開催日時:平成26年12月14日(日曜日)
■午後20時45分頃 仮配信
■午後21時00分頃 本配信
なお配信時間は90分を予定しております.

※ツイキャス配信はこちらから→http://twitcasting.tv/89089314

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[症例15:抗インフルエンザ薬の予防効果は如何程?]

【仮想症例シナリオ】
あなたは, 保険薬局の薬剤師です.
本格的な冬の寒さが到来し, 徐々にではありますが風邪などの急性疾患で来局する患者が増えてきていました.
そんなある平日の昼下がり, 午前の外来業務が終わり一息ついていたところ,
とある女性が突然やってきました.

「どうも娘の通う保育園でインフルエンザに罹った子がいるみたいなんです. 家族全員で予防接種を受けようと思っていたらもう流行していてびっくり!今年は予防接種じゃなくて, インフルエンザの薬を予防でもらった方がいいのかしら?」

こちらの女性(30代)は, 普段抗ヒスタミン剤の内服薬や皮膚科外用薬といった処方薬を受け取りに来局される方で, 薬のことだけではなくご自身やご家族の健康に関する相談もよく受けており, あなたも女性のことはよく覚えていました.

【女性とご家族について】
共働き(30代の旦那さま)で保育園に通う娘さん(4歳)と, 親夫婦(60代)の5人家族.
娘さんとご主人は持病や定期服用薬はなし.
親夫婦に関しては現病や服用薬などの詳細はわからない.

抗インフルエンザ薬がインフルエンザの発症に対してどの程度予防効果があるのか,
あなたはこの臨床疑問を解決すべくpubmedを検索した結果, 次のような論文を見つけました.

[文献タイトルと出典]
Laninamivir octanoate for post-exposure prophylaxis of influenza in household contacts: a randomized double blind placebo controlled trial.
Pubmed : http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23732307
PDF → http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3738841/pdf/10156_2013_Article_622.pdf


今回もわたくしがシナリオ作成を担当させていただきました.

インフルエンザ, どうも今年は流行のペースが早いようですね.
インフルエンザ患者数が前週より倍増、今シーズンで最多
予防接種から薬までいろいろな情報やら個々人の想いがネット上で錯綜している印象です.
どういった情報が妥当なのか, またそう判断するにはどういったことに注意して情報を吟味すればよいのか,
そういったことも今回の抄読会で取り扱ってゆけたらと思っています.

@syuichiao先生のブログにインフルエンザに関して非常にわかりやすい記事があります. ぜひご参考にしていただければと思います.

今回はRCTを取り扱いますので,
ランダム化比較試験を10分で読むワークシートもご活用ください.

いつものように, 放送中に頂くコメントへは随時お答えさせていただきます.
皆様にとって, 貴重で愉しい抄読会となれるよう鋭意努力いたします.

それでは, ネットの世界で皆様とお会いできることを心待ちにしております.

薬剤師のジャーナルクラブ(Japanese Journal Club for Clinical Pharmacists:JJCLIP)とは、薬剤師がEBMを実践するための学びの場を提供するSNSコミュニティです.現在は@89089314先生、@syuichiao先生、そしてわたくし@pharmasahiroの3名をコアメンバーとして運営しております.


アセタゾラミドの高山病予防投与に関する考察

まさひろ@メディカル担当です.

今回はJJCLIP特別企画ということで、さきほど@89089314先生がとある論文を読みつつ富士山登頂にという偉業を達成されました!おめでとうございます!!

その時に扱った論文がこちらです.

Identifying the lowest effective dose of acetazolamide for the prophylaxis of acute mountain sickness: systematic review and meta-analysis.
BMJ. 2012 Oct 18;345:e6779. doi: 10.1136/bmj.e6779.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23081689

全文が閲覧可能です → PDF

今回はこの論文についてまとめてみましょう.

【論文は妥当か?】

【Patient】 標高3000m以上の山に登る16歳以上の健常人
【Exposure】 登山時にアセタゾラミド 250mg/日、500mg/日、750mg/日を服用
【Comparison】 プラセボを服用
【Outcome】 高山病の予防[症状として頭痛、胃腸障害(食欲不振、悪心、嘔吐)、めまい、軽いふらつき、不眠、疲労が少なくとも一つ以上]の有無を、Lake Louise というスコアリングシステムを使用して評価]
研究デザイン メタ分析(11の論文を統合)
元論文バイアス 二重盲検ランダム化比較試験のシステマティックレビューおよびメタ分析.・Randomised controlled trials assessing the use of acetazolamide at 250 mg, 500 mg, or 750 mg daily versus placebo in adults as a drug intervention for the prophylaxis of acute mountain sickness
評価者バイアス Two reviewers (EVL, AS) independently evaluated the quality of the included trials by using the Cochrane Collaboration’s tool for assessing risk of bias.
異質性バイアス ・To identify additional unpublished studies we corresponded with the primary author from each of the included studies and several of the excluded studies.・Heterogeneity among studies was low for the acetazolamide 250 mg and 500 mg subgroups.・When interpreting heterogeneity, I2 values less than 30% are considered as low heterogeneity, less than 60% as moderate, and greater than 60% as high.
出版バイアス ・No language restrictions were applied to the selection process.・To identify additional unpublished studies we corresponded with the primary author from each of the included studies and several of the excluded studies.・Publication bias was assessed by funnel plot (see supplementary fig 4).
利益相反 EVL and VG have received funding from the University of Nottingham to complete the study. No other funding was received for this study

【結果はどうか?】

アウトカム オッズ比[95%信頼区間]
急性高山病 0.36 [0.28-0.46]

それぞれの投与量に関するサブグループ解析もなされていました.

投与量 オッズ比[95%信頼区間] I2統計量
250mg 0.41 [0.26-0.64] 15%
500mg 0.37 [0.26-0.52] 0%
750mg 0.20 [0.10-0.41] 44%(統計的に有意に異質性あり)

さらに、個々の投与量に対するNNT (Numbers needed to treat)も算出されていました.

投与量 NNT[95%信頼区間]
250mg 6 [5-11]
500mg 7 [6-9]
750mg 3 [3-5]

【結果をどう活用するか?】
サブグループ解析ですが、異質性も低く、かつNNTも一桁という驚異的な数字です.
アセタゾラミドはそれほど高価な薬ではないこと、
高山病は高地肺水腫・高地脳浮腫を引き起こして、生命を脅かす恐れのある疾患であることを踏まえると、
予防投与することは全体として有益であるようにも思えます.
ただし、当然のことながら感覚異常などの有害事象も有意に増加していることは念頭において服用を考えるようにしたいものです.
頻尿も増加するとのことで、トイレが近い僕は正直服用しようかかなり迷います.
さらに、保険適応でもないことも覚えておかなければならないでしょう(予防ですから)

なお、JJCLIPでご一緒させて頂いております、@syuichiao先生のブログに詳細がありますので、ぜひそちらも参考にしてください.

@89089314先生、お帰りもどうかお気をつけて下山してください!


血液透析患者へのARB投与に関する考察

まさひろ@メディカル担当です.

本日はこんな論文を.

Effects of angiotensin receptor blockade (ARB) on mortality and cardiovascular outcomes in patients with long-term haemodialysis: a randomized controlled trial.
Nephrol Dial Transplant. 2013 Jun;28(6):1579-89. doi: 10.1093/ndt/gfs590. Epub 2013 Jan 25.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23355629
全文がフリーで入手可能です. → PDF

【論文は妥当か?】

【Patient】 高血圧を合併している慢性的血液透析469人(BP=140-199/90-99 mmHg)
【Exposure】 ARBであるオルメサルタン 10-40mg/日(235人)
【Comparison】 プラセボもしくはARB/ACEi以外の降圧薬の投与(234人)
【Outcome】 (ⅰ)死亡、非致死性脳卒中、非致死性心筋梗塞および冠動脈血行再建術(ii)全死因死亡の複合アウトカム
研究デザイン ランダム化比較試験
ランダム化されているか? されている
患者背景は同等か? 同等
盲検化されているか? single blind(アウトカム評価者をマスク=PROBE法)
サンプルサイズは十分か? されている
ランダム化は最終解析まで保持されているか? 追跡率100%で全例解析

【結果はどうか?】

アウトカム E群 C群 ハザード比[95%信頼区間]
プライマリ 68/749 (9.1%) 67/741 (9.0%) 1.00 [0.71 to 1.40]

*累積で計算しているため分母がそれぞれの群よりも多い数となっている

【結果をどう評価するか】
PROBE法であるにもかかわらず、冠動脈血行再建術(つまり手術)の項目がアウトカムに含まれていますが、
ARBに有利な結果とはなっていないため今回は目をつぶっておきます.

血液透析など、腎疾患を有する患者に対する文献を読むのは初めてでした.
高血圧のみを有するような患者だけでなく、こういった背景をもつ患者に対してもARBを積極的に使う理由はない模様です.